1.国保、都道府県単位に再編 財政安定化狙う
2.後期高齢者医療制度見直し 対象「65歳以上」を断念
3.看護業務の実態調査の結果を公表―厚労省
4.回答率10%台に評価さまざま―看護業務の実態調査
5.病院薬剤師は4万3000人‐前年より1万4000人増加
6.血液がん治療薬 セルジーンに効能追加承認
7.目の染色剤 欧州販売 九大発ベンチャー開発
8.脳卒中:まひの手回復に新手法 慶応大チーム開発
9.認知症の周辺症状に「抑肝散」
10.多剤耐性菌はなくならない! 感染症への本当の備えとは
11.PCI後のクロピド倍量投与でイベント抑制効果高まる
12.クロピド倍量投与、登録患者全体ではイベント減らさず
13.抗精神病薬の服用、静脈血栓塞栓症のリスク上昇と関連
14.フォンダパリヌクス治療後のPCI、未分画ヘパリンの用量で安全性に差なし
15.吸入ステロイド+チオトロピウム、ステロイド倍量より優越性示す
16.心不全患者への自己管理カウンセリング、死亡・入院率改善せず
17.学会ダイジェスト:第46回欧州糖尿病学会
1) たとえ減量できなくても、身体活動を高めれば血糖値を改善できる
18.AstraZeneca drug fails in prostate cancer trial
19.Celiac Disease Incidence Increases as People Grow Older, U.S. Study Shows
20.Painless laser device could spot early signs of disease
21.Migraine cause 'identified' as genetic defect
22.Smoking link to ectopic pregnancy
23.New Software for Defibrillators Lowers Risk of Unnecessary Shocks
24.In Test of Stents, Old Standby Wins Out
25.Statins Could Prevent More Strokes, Heart Attacks: Analysis
26.第10回高齢者医療制度改革会議資料
27.プレスリリース
1) CYPHER® Sirolimus Drug-Eluting Stent Remains Unsurpassed in Terms of Safety and Efficacy
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1.国保、都道府県単位に再編 財政安定化狙う
日本経済新聞社2010年9月28日
厚生労働省は27日、約1800の市町村ごとに運営している国民健康保険(国保)を2013年度以降、5~10年以内に47都道府県に再編する案を「高齢者医療制度改革会議」に示した。人口減と高齢化が進むなかで農村部などの国保の運営は厳しく、同一県内の国保と統合することで、加入者の保険料や市町村の財政負担の格差を直し、財政を安定させる狙いだ。
厚労省は将来、国保の運営を都道府県に全面的に委ねたい考え。だが多くの都道府県は財政の負担が増えることなどを理由に、運営引き受けには反対の立場。年末にまとめる最終報告まで曲折がありそうだ。
具体的には2段階に分けて国保の運営を都道府県単位に広げる計画だ。第1段階は、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度をやめて新制度に移る13年度。新制度では、75歳以上の8割強に当たる約1200万人が国保に移る。国保の財政勘定を75歳以上と74歳以下の2つに分けて、75歳以上の部分を都道府県単位で運営する形をとる。
次に、74歳以下の財政運営も都道府県単位に移す。厚労省は「同時期に全国一斉に実施する」(高齢者医療課)方針で、13年度から5~10年以内を想定しているようだ。これが実現すれば市町村が運営する国保はなくなり、すべて都道府県単位になる。
国保は無職者やフリーターなど所得の低い加入者が増えているために財政が厳しく、全体の約5割が赤字。高齢化の影響による医療費の増加も重なり、農村部などの保険料は年々上昇している。
一方、財政に比較的ゆとりのある市町村では一般会計から財政投入を実施するなど独自の措置をとって保険料の上昇を抑えている。08年度の1人当たり平均保険料でみると、最も高いのは北海道猿払村で13万5000円。最低は沖縄県伊平屋村で2万8000円と、5倍近くの保険料の差がある。
厚労省は国保の運営を市町村から都道府県単位に切り替え、制度の持続性を高めたい考えだ。切り替えにより、地域による保険料格差も2倍程度に縮小するとみている。
「地域の医療計画を作る都道府県が国保の財政運営も担うべきだ」と厚労省は主張する。だが都道府県の多くは「いまの後期高齢者医療制度は市町村の共同体である広域連合が主体となって運営しており、大きな問題は起きていないはずだ」などとして、反対の姿勢を取っている。
2.後期高齢者医療制度見直し 対象「65歳以上」を断念
産経新聞社2010年9月28日
厚生労働省は27日、75歳以上が対象の「後期高齢者医療制度」を廃止した後、平成25年4月からの導入を目指す新制度について、対象を65歳以上に広げる案を断念し、75歳以上とする方針を細川律夫厚生労働相の諮問機関「高齢者医療制度改革会議」に提示した。また、市町村が運営する国民健康保険(国保)に関し、25年度以降、全年齢を対象として全国一斉に運営主体を都道府県単位に移行する案も示した。
改革会議が8月にまとめた新制度の中間報告では、対象年齢について「65歳以上」と「75歳以上」の両論を併記していた。しかし、65歳以上に広げれば保険料収入が1千億~2千億円減少することなどから、現行制度と同様に対象年齢を75歳以上とした。
また、中間報告では国保を都道府県単位に広域化するものの、「全国一律」か「合意した都道府県から順次」のいずれかとしていた。厚労省は27日の改革会議で、合意した都道府県から順次進めるとすれば国民にわかりにくいことに加え、一部の都道府県では運営主体が市町村のままとなりかねないとの懸念を指摘。全都道府県が同時に移行することを目指す方針を示した。
移行期限は23年の通常国会に提出する関連法案に明示する方針だ。この日の会議では新制度移行後2年から4年後が望ましいとの意見が相次いだ。
ただ、国保の運営主体をめぐっては、全国知事会が都道府県による運営に反対している。このため、中間報告には市町村が構成する広域連合による運営も併記されている。
中間報告は、25年度から後期高齢者医療制度の加入者のうち8割を国保に移行し、残る2割にあたる会社員とその扶養者を企業の健康保険組合などに加入させることが柱となっている。
3.看護業務の実態調査の結果を公表―厚労省
CareerBrain2010年9月27日
厚生労働省は9月27日、チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部教授)を開き、同省の研究班が行った看護業務に関する実態調査の結果を公表した。導尿・留置カテーテルの挿入や低血糖時のブドウ糖投与については、「現在看護師が実施している」とする看護師の回答が8割を超え、人工呼吸器装着中のウイニングスケジュールの作成・実施、褥瘡の壊死組織のデブリードマンでは、「今後、看護師が実施可能」とする回答が医師と看護師で共に半数を上回った。ただ、全体の回答率は16.9%(推計)にとどまった。
調査は7月28日-9月10日に実施。一般病院や訪問看護ステーションなど3274施設のほか、専門看護師と認定看護師合わせて1578人にも意見を求め、対象となった医師、看護師数は合計4万8030人(推計)。このうち8104人(医師2420人、看護師5684人)から有効回答を得た。施設別の回答率では、医師、看護師共に特定機能病院以外の病院が最も高く、病床規模別では500床以上が30.5%でトップだった。「検査」「呼吸器」「緊急時対応」など203項目の処置について、「現在看護師が実施している」かどうかと、今後ふさわしい実施者を聞いた。
現状では、末梢血管静脈ルートの確保と輸液剤の投与(医師63.8%、看護師77.1%)、創傷被覆材(ドレッシング材)の選択・使用(同44.4%、同73.4%)など、既に看護師の実施率が高い項目がある一方、中心静脈カテーテルの挿入(同0.9%、同0.2%)や胸腔穿刺(同0.8%、同0.1%)のように実施率が1%未満で、「今後も医師が実施すべき」とする処置もあった。
ただ、現在の看護師の実施率が1ケタ台でも、「今後、看護師が実施可能」とする割合が医師、看護師共に半数を超えた処置も多かった。
例えば、「単純エックス線撮影の実施の決定」(医師2.8%、看護師3.2%)は、「今後、看護師が可能」とする回答が医師55.5%、看護師53.2%。このうち特定看護師(特定)とそれ以外の看護師(一般)の割合は、医師が一般19.6%、特定35.9%で、看護師では一般12.5%、特定40.8%だった。また、「体表面創の抜糸、抜鉤」(医師1.8%、看護師0.9%)では、医師67.4%(一般22.9%、特定44.5%)、看護師53.0%(同11.8%、同41.2%)だった。
このほか、他職種に関する調査項目のうち、現在看護師のみが実施している業務については、「看護記録等の入力」(91.4%)、「身体計測」(64.0%)、「説明(検査、処置に関する事前説明など)」(57.3%)などの割合が高かった。
4.回答率10%台に評価さまざま―看護業務の実態調査
CareerBrain2010年9月27日
厚生労働省が9月27日に開いたチーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部教授)では、同省の研究班が行った看護業務の実態調査の結果について、各構成員からさまざまな意見が飛び出した。回答率が16.9%(推計)と伸び悩んだことから、「10%台の回収率で何か物を言うのは、ちょっと厳しい」とする意見がある一方、「回収率が低いにせよ、(有効回答)8000人の数が集まったことについては大変評価できる」などの声もあった。
竹股喜代子構成員(医療法人鉄蕉会医療管理本部・看護管理部長)は、「とてもナースがやらないだろうと思っていたのに、これだけの数をやっていたというのは個人的にはかなり驚きだった」と発言。また、「7割ぐらいまでが、看護職が今後やれると言っているものをざっと見て、院内教育レベルでやれるのかなという印象を受けた」と語った。
また、秋山正子構成員(ケアーズ白十字訪問看護ステーション統括所長)は、「既に一般の看護師が、暗黙のうちに包括的指示の下でできていて、それを(今後も)やれると思っていることを確認できたという解釈もできるのではないか」と問題提起。神野正博構成員(社会医療法人財団董仙会理事長)もこれに同調し、「(現在の看護師の実施率が)10%以下こそ、いろんな検討が必要であって、10%以上のところは全部解禁すればよいと思ってしまうほどやっている」と評価した。
これに対し、星北斗構成員(財団法人星総合病院理事長)は、「今、看護師さんが行っている行為を明確に区分し、『これはマル、これはバツ』と明示できるかというと、かなり厳しいだろう。これを共通の理解として進まないと、出口のない議論に自分たちを追い込んでしまう」と懸念を示した。
■「薬剤の選択・使用」の項目で不満―川上構成員
一方、調査項目の「薬剤の選択・使用」について、調査を行った厚労省研究班の前原正明・主任研究者(防衛医科大学校教授)は、「医師は(包括的指示を)出しているが、実際は自分たちのコントロールの下でやっている。看護師さんはオーダーも出て実際に動いているので、(現在の看護師の実施率で医師と看護師の間に)少し乖離が見られた」と説明。「他職種の方々が関係する質問については、特に慎重に分析し、必要であればアンケート調査もしなければならない」との考えを示した。これに対し、浜松医科大附属病院教授・薬剤部長の川上純一構成員は、「特に薬剤の選択の方は、実際どのぐらいの範囲を指すかによって、回答結果が随分変わる」とし、「丁寧に調査してくださいとお願いしたのに、それがないまま、こ� �ように結果も分かれてしまった」と不満を口にした。…
■実施率7割以上は「通達で対処できるのでは」―前原主任研究者
WG終了後、前原主任研究者は記者団に対し、現在の看護師の実施率が7割以上の処置については、「(厚労省の)通達などで対処できるのではないか」との認識を示した。一方、現状が5%以下でも「今後、看護師が実施可能」とする割合が医師と看護師で共に高い項目については、「教育、実習、研修でやっていただいてもよいと思う」と述べ、特定の医行為に関するWGの検討項目に加えるべきとした。
前原主任研究者はまた、医師と看護師を含めた他職種によるチーム医療の重要性を強調し、「たくさんの方のご意見で次のステップに行く。(今回の調査結果は)第一歩とは言わない。まず半歩」とした。このほか、日本医師会が行った看護業務の実態調査については、「どう分析するか、どうやるかということに対しては、オープンに話し合いたい」と述べた。
5.病院薬剤師は4万3000人‐前年より1万4000人増加
【09年医療施設調査・病院報告】
薬事日報社2010年9月28日
胃の痛みの救済
厚生労働省統計情報部は、2009年「医療施設(動態)調査・病院報告」概況を公表した。それによると、09年10月1日現在、病院の医療従事者総数は、非常勤も含め182万0335・0 人で、前年より4万8899・2人(2・8%)増えた。このうち、病院に勤務する薬剤師は、常勤換算で前年より1353・6人(3・2%)増の4万3113・6人。実人員も4万5466人で、前年より1419人(3・2%)増加した。
病院報告は、昨年1月からの1年間、全国の病院、療養病床を有する診療所を対象に、患者の利用状況や医療従事者の状況を把握するためもの。動態調査は、08年10月から1年間のうちに、開設・廃止のあった医療施設を対象としている。
病院報告によると、医療従事者の総数は年々増加傾向にあり、病院100床当たりで見ても、常勤換算医療従事者は113・7 人と、前年の110・0 人に比べ3・7 人増加している。薬剤師は2・7人で前年に比べ0・1人増えた。医師は11・9人で0・2人の増加、看護師も41・2人で1・6人増えた。
動態調査では、小児科を標榜する一般病院は、前年に比べ52施設減の2853施設、産婦人科、産科を標榜する一般病院も、25施設減の1294施設だった。ともに90年以降で最低の数値で、産婦人科や小児科を標榜する施設数が依然として減少傾向にあり、診療科の偏在問題への対策が不十分な状況がうかがえる。
全国の医療施設は、前年に比べ815施設増加の17万6471施設だった。そのうち「病院」は、前年に比べ55施設減少の8739施設で、「一般診療所」は552施設増の9万9635 施設だった。依然として、病院が減少する一方で、一般診療所は増加傾向にある。
6.血液がん治療薬 セルジーンに効能追加承認
SankeiBIZ2010年9月28日
医薬品メーカーのセルジーン(東京都千代田区)は、血液がんの治療薬「レブラミドカプセル」について、厚生労働省から、一部染色体の異常に伴う骨髄異形成症候群への効能追加の承認を取得した。
これまでは輸血などの治療法が中心だったが、効能拡大で患者の治療負担の軽減につながり、生活の質向上に結びつく新たな治療法として期待されている。
骨髄異形成症候群は、赤血球や白血球など血液細胞をつくる造血幹細胞に異常が起こる病気。高齢者の男性に多く、貧血などの症状があるという。
同社によると、国内患者数は推計7100人。そのうち、一部染色体異常に伴う骨髄異形成症候群の患者は、約130人とみられているという。
レブラミドは、口から飲む経口薬。がん細胞を攻撃する細胞の働きの補助やがん細胞に栄養を与える血管を阻止するなどの特徴があり、染色体異常の改善や減少した血液細胞を増やす効果があるという。
これまでは、血液のがんの一種である多発性骨髄腫の治療薬として、製造販売の承認を取得していた。
従来の骨髄異形成症候群の治療法である輸血では、皮膚のかゆみや湿疹(しっしん)などの副作用があり、抗がん剤では、吐き気、食欲不振、口内炎などを引き起こす可能性があるという。
レブラミドでは副作用の可能性が少ないため、長期にわたって病状を調整していく必要がある同症候群の患者には治療の負担軽減につながり、早期承認を望む声が上がっていた。
7.目の染色剤 欧州販売 九大発ベンチャー開発
西日本新聞社2010年9月28日
九州大発の創薬ベンチャー企業、アキュメンバイオファーマ(福岡市、鍵本忠尚社長)は27日、網膜手術などで従来より安全に目の膜を染色できる薬剤の製品化に成功、欧州で承認を得て今月から販売を開始した、と発表した。同社は「日本のバイオベンチャーが独自開発した医薬品や診断薬が欧米で販売されるのは初めて」としている。
糖尿病に伴う黄斑浮腫など、目の内部の硝子体に対する手術は、透明な膜を染色して患部を除去する方法が一般的。これまで広く使われてきた染色剤は安全性が疑問視され、他の薬剤は染色性が低く目の手術には不向きだったという。
同社は、九大大学院医学研究院眼科学分野の石橋達朗教授のグループが開発した、安全性と染色性の高い青色色素の技術を、2005年に移転し製品化にこぎ着けた。05年当時、鍵本社長は同院に在籍していた。
同社はオランダのドルク社とライセンス契約を結び、欧州で新薬承認を取得。今後、国内や米国でも承認申請を出す。
福岡県庁で記者会見した鍵本氏は「2年後の国内販売を目指したい」と語った。国内で年約10万件実施される硝子体手術のほか、年約200万件に上る白内障手術も染色剤の利用は多いという。
8.脳卒中:まひの手回復に新手法 慶応大チーム開発
毎日新聞社2010年9月28日
BMIを利用した新しいリハビリ法の概略図
脳卒中の後遺症で長期間まひした手の機能を改善させる手法を、慶応大の里宇明元(りう・めいげん)教授と牛場潤一講師らのチームが開発した。スポーツのイメージトレーニングのように手を動かすことを想像し、脳に刺激を与える訓練を繰り返すことで、筋肉の働きを誘発させた。チームは、新しいリハビリ法になるとみて、実用化を目指した臨床試験に着手した。
国内の脳卒中患者は約150万人と推定され、まひが残る人が多い。現在のリハビリでは、比較的軽度のまひを電気刺激などで回復させる方法がある。しかし、数年間も動かなくなった完全まひの患者では、まひしていない方の手足を鍛えるしかなく、事実上治療を断念している。
チームは、手を動かす際に出る脳波が現れると、手首に装着した電動装具が動くシステムを構築した。
まひした患者の場合、最初は動かすことのできる人と異なる波形になる。そこで、コンピューター画面を通して違いを確認しながら、手を動かすイメージを繰り返し、正しい脳波が現れると、電動装具が手を強制的に動かす。
システムを使い、5年間も左手がまひしていた女性が1日1時間の訓練を週5回続けたところ、2週間後には積み木のような器具をつかんで持ち上げられるようになった。当初、筋肉を動かすための電気信号がほとんど出ていなかったが、システムなしでも検出されるようになり、脳の命令を手に伝える回路が新しく形成されたことをうかがわせた。同様の効果は、他の患者でも確認できた。
脳と機械をつなぎ、情報を出し入れする技術は「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」と呼ばれ、各国で研究が進むが体の機能回復を実証したのは世界で初めてという。里宇教授は「どの症状の患者に効果的なのか、症例を重ねて数年のうちに手のまひの治療法の一つとして確立したい」と話す。
9.認知症の周辺症状に「抑肝散」
読売新聞社2010年9月28日
■「持ち越し効果」介護負担も軽減
現在、日本に約220万人の患者がいるとされ、高齢化に伴い増え続けている認知症。主な症状には、記憶力や判断力の低下などの「中核症状」と、抑鬱や不眠、妄想などの「周辺症状」がある。
中核症状は患者本人にとって大きな問題だが、患者を介護する家族にとっては周辺症状の方がより深刻な問題といえる。お金を盗られたと思いこむ物盗られ妄想、あちこち歩き回って家に帰れなくなる徘徊、昼夜逆転し夜中に騒ぐ…。こうした問題行動を含む周辺症状が在宅での治療を困難にする最大の原因にもなっている。
周辺症状に対してはこれまで、主に抗精神病薬が使われてきた。不眠や不安の解消に高い効果があるためだ。しかし、認知症患者では転倒や死亡のリスクが高まることから、米国で2005年、認知症患者に抗精神病薬を使うのを控えるべきだとする勧告が出された。日本でも使う場合は慎重さが求められている。
涙ながらに感謝
こうした中、注目されているのが漢方薬の「抑肝散」だ。もともと小児の夜泣きや疳(かん)の虫など精神的興奮に対して使われていた薬だが、20年以上前から認知症患者にも使われている。
国立長寿医療研究センター病院(愛知県大府市)の鳥羽研二院長も、以前から臨床の場で抑肝散を処方していた。あるとき、患者の家族から「これまで母を殺して自分も死のうと思っていたが、抑肝散で母の症状が落ち着いた。これでまた母の面倒を見ていく気がおきました」と、涙ながらに感謝されたことがあった。「そうか、こんなに効くことがあるのか、と。それならきちんと治験をやった方がよいと思った」と鳥羽院長。
東北大学などで行った比較試験で有効性が確認される中、さらに効果を深く検証するため、関東の20施設でクロスオーバー試験を実施。認知症患者106人をABの2群に分け、8週間の試験期間のうち、A群は前半4週間、B群は後半4週間に薬を服用してもらい、効果を検証した。両群とも薬を飲むことで症状の改善が見られたが、前半に服用したA群では薬を止めた後も4週間効果が持続しており、「持ち越し効果」があることが確認された。
持ち越し効果によって薬を飲まなくてもよい期間ができるのは、副作用の軽減につながるので、患者にとっては大きなメリットだ。また、抑肝散は独特の苦みがあることなどから飲むのを嫌がる患者もいる。こうした患者に薬を飲ませるのは介護者にとっての大きな負担だが、休薬期間ができれば負担軽減にもなる。
さらなる研究を
ただ、周辺症状は介護者の対応が変わることでも大きく改善される。抑肝散で患者が落ち着いたことで、介護者のイライラも減り、患者への対応が変わったことが持ち越し効果となった可能性もある。薬そのものに持ち越し効果があるといえるのか難しい面もある。
鳥羽院長は「高齢者の医療・福祉は日本が世界に先駆けて開発した知識や制度も少なくない。漢方についてもさらに研究を進め、世界に広める必要がある」と話している。
■アイスと混ぜ服用しやすく
独特の苦味やにおいのある漢方薬は、その飲みにくさが治療継続の足かせにもなっている。特に粉薬の抑肝散は服用後に粉が舌や歯にくっつき、飲むのを嫌がる患者も少なくない。
ジオ薬局伊賀店(岡山県高梁市)の薬剤師、甲〆慎二さんは、漢方薬と補助食品の飲み合わせを実験。抑肝散ではアイスクリーム、ヨーグルト、チョコクリーム、ピーナツクリーム、はちみつと合わせることで、かなり飲みやすくなった。甲〆さんは「アイスは冷感で味覚を鈍らせる効果も。どの食材も食べる直前に混ぜるのがポイント。ただ、認知症では服用の無理強いは禁物で、嫌がるときは時間をずらすなど工夫を」とアドバイスする。
10.多剤耐性菌はなくならない! 感染症への本当の備えとは
Nikkei Business Publications2010年9月28日
不安の夜席の症状
山形大学医学部附属病院の森兼啓太氏
帝京大学附属病院での多剤耐性アシネトバクター集団発生事例が大きく報じられて1カ月近くが経つ。この機会に、多剤耐性菌による感染症だけでなく、感染症一般への備えを考えてみたい。
抗菌薬を使う限り耐性菌は存在し、新たな耐性菌は生まれ続ける
感染症への対策は、まず敵を知ることから始まる。多剤耐性アシネトバクターについていえば、「多剤耐性」と「アシネトバクター」に分けて理解する必要がある。
まずアシネトバクターであるが、多剤耐性ではないものはごくありふれた細菌であり、土壌や健康な人の皮膚など、どこにでも存在し、社会で普通に暮らす人には悪さをしない。
一方、「多剤耐性菌」とはさまざまな抗菌薬(抗生物質とも呼ばれる)の効果がなくなった菌を指す。多剤耐性菌は、突然変異的に生まれる場合もあるが、その多くは抗菌薬の使用に対する細菌の抵抗から生まれてくる。人類と細菌の闘いは、ペニシリンをはじめとする各種抗菌薬の発見と開発によって一気に人類に有利になった。しかし細菌もしたたかで、耐性の遺伝子を自ら生み出し、また他の菌から譲り受けることで自らを耐性化し、抗菌薬への抵抗力をつけてきた。
別の見方もできる。個人のレベルで、細菌感染症に抗菌薬を使ってその細菌が排除できても、そもそもその人の体力・免疫力が落ちていれば、別の菌による感染症にかかっても不思議はない。排除できない細菌といえば、抗菌薬が効かない、つまり多剤耐性菌である。多剤耐性菌による感染症の状態になると、治療の方法が極めて限られ、細菌の増殖を体が押さえられなくなる。高熱により体力を消耗し、細菌の出すさまざまな物質により臓器に障害をきたし、命を落とすことになる。
これらをあわせて、極論すれば、抗菌薬を使う限り耐性菌はなくならないし、新たな耐性菌が生まれ続けるということになる。
多剤耐性アシネトバクターは"多剤耐性菌"の一つに過ぎない
病院に入院し、体力・免疫力が落ちた人を想定してほしい。
その人たちは、アシネトバクターに限らずあらゆる細菌の感染症にかかりうる。その際、アシネトバクターはその人を感染させる「争い」にどちらかといえば弱い菌であり、患者は他の菌による感染症にかかる(ほかの菌の感染力のほうが強いケースが多いということ)。そしてかかってしまった感染症に対して、有効な抗菌薬が使われる。薬が効けば、それらの菌はいなくなる。抗菌薬が有効な(多剤耐性でない)アシネトバクターもいなくなる。そこでいよいよ多剤耐性菌の出番がくる。そして多剤耐性アシネトバクターは、その中の一兵卒に過ぎない。ほかにも多剤耐性菌は存在する。つまり、多剤耐性アシネトバクターだけを、問題視してもしかたがないのだ。
抗菌薬の多用は新たな耐性菌を生み出す原因に
多剤耐性菌を増やさないために一般人ができることをあえて挙げると、ちょっと風邪を引いたくらいで抗菌薬を服用しないことである。どんな抗菌薬でも、それが不適切に多用されることが耐性菌を生み出す原因となりうるからだ。医療機関を受診し、抗菌薬の処方を受けた場合は、自分はどの菌の感染症にかかっているのか、その抗菌薬が治療上本当に必要なのか、処方をした医師に確かめて頂くのもよいだろう。
インフルエンザであれ、耐性菌であれ、感染症への備えは、規則正しい生活・十分な睡眠と食事・適度の運動などによる、基礎体力・免疫力の維持である。ワクチンも感染症への備えとして有効だが、これらをほんの少々後押しするに過ぎず、過信は禁物である。また一般人は、少なくともアシネトバクターに関して心配する必要は全くない。
9月も終わりが近づき、めっきり涼しく、過ごしやすくなってきた。暑さによるストレスから解放され、多くの人の健康状態が今最もよい時期になっていると思われる。改めて、感染症に対する基本的な備えについて見つめ直して頂きたい。
11.PCI後のクロピド倍量投与でイベント抑制効果高まる
CURRENT-OASIS 7試験の結果その1(Lancet誌から)
日経メディカル2010年9月28日
急性冠症候群で経皮的冠インターベンション(PCI)を受けた患者の心血管イベント、ステント血栓症、出血などを予防するには、クロピドグレル標準用量と2倍量、アスピリン低用量と高用量のどれが最も好ましいのだろうか。この4通りの薬物治療の影響を比較したカナダMcMaster大学のShamir R. Mehta氏らは、2倍量のクロピドグレルの適用が好ましいことを示唆する結果を得た。論文は、Lancet誌電子版に2010年9月1日に掲載された。
抗血小板薬のクロピドグレルとアスピリンは、PCIを受ける患者の血栓性合併症予防を目的として広く用いられている。近年、急性冠症候群の患者への早期PCI適用が増えたため、より早くより強力に作用する抗血小板レジメンの確立が求められている。
著者らは、2通りの用量のクロピドグレルと2通りの用量のアスピリンが、PCIを受ける急性冠症候群患者(ST上昇の有無は問わない)の主要な心血管イベントやステント血栓症のリスクに及ぼす影響を評価する、2×2ファクトリアルデザインのCURRENT-OASIS 7試験を計画。06年6月から09年7月まで、39カ国の597施設で実施した。
2万5086人の患者を登録し、1万2520人を2倍量のクロピドグレル(600mgを負荷用量とし、2~7日は150mg、それ以降は75mg/日)、1万2566人を標準用量のクロピドグレル(300mgを負荷用量とし、2日目以降は75mg/日)に割り付けた。
登録患者全員についてアスピリンの負荷用量を300mg以上とした上で、クロピドグレル2倍量群のうち6253人、標準用量群のうち6254人を高用量アスピリン(300~325mg/日)に、2倍量群の残り6267人、標準用量群の残り6312人を低用量アスピリン(75~100mg/日)に割り付けた。
他の抗凝固薬、GP IIb/IIIa拮抗薬、スタチンなどの処方は担当医の判断に任せた。
主要アウトカム評価指標は、30日以内の心血管死亡、心筋梗塞、または脳卒中を合わせた複合イベントに設定。2次評価指標は、複合イベント+虚血再発、この複合イベントを構成する個々のイベント、ステント血栓症とした。分析はintention-to-treatで行った。
割り付けられた患者のうち、7823人はPCIを受けなかった。割り付けからPCIまでの時間の中央値は、ST上昇急性心筋梗塞患者で0.5時間、非ST上昇患者では3.2時間だった。
PCIでステント留置を受けたのは1万6323人(95%)、うち42%に薬剤溶出ステント、58%にベアメタルステントが適用された。
実際にPCIを受けた患者の中で、2倍量クロピドグレル+高用量アスピリンを投与されたのは4298人、30日の追跡を終えたのは4296人だった。2倍量のクロピドグレル+低用量アスピリンを投与されたのは4262人で、追跡完了は4262人。標準用量のクロピドグレル+高用量アスピリンは4326人、追跡完了は4326人、標準用量のクロピドグレル+低用量アスピリンは4377人、追跡完了は4376人だった。
クロピドグレル2倍量群では、標準用量群に比べ、主要エンドポイントに設定された複合イベントが少なかった。330件(3.9%)と392件(4.5%)で、調整ハザード比は0.86(95%信頼区間0.74-0.99、P=0.039)。2倍量群で少なかったのは心筋梗塞で、心血管死亡と脳卒中のリスクは両群間で同様だった。
2次エンドポイントの複合イベント+虚血再発も、2倍量群で少なかった(調整ハザード比0.85、0.74-0.98、P=0.025)。
2倍量群では、ステント血栓症の確定例も有意に少なかった。58件(0.7%)と111件(1.3%)で、調整ハザード比は0.54(0.39-0.74、P=0.0001)。確定例と可能性例を合わせて分析しても調整ハザード比は0.69(0.56-0.87、P=0.001)と、2倍量群における有意なリスク低下を示した。
著者らが定義した大出血は、クロピドグレル2倍量群で多かった。139件(1.6%)と99件(1.1%)、ハザード比は1.41(1.09-1.83、P=0.009)。しかし著者らの定義による重症出血(ハザード比1.34、1.99-1.82)、TIMI出血基準に基づく大出血(調整ハザード比1.36、0.97-1.90)や、致死的な出血(0.46,0.18-1.22)、頭蓋内出血(0.77、0.17-3.43)のリスク上昇はなかった。
一方、高用量アスピリン群と低用量アスピリン群の間で、主要アウトカム評価指標に設定された複合イベントの発生率に差はなかった。356件(4.1%)と366件(4.2%)、ハザード比0.98(0.84-1.13、P=0.76)。複合イベント+再発虚血、複合イベントに含まれる個々のイベントの発生率についてもこれら用量間に有意差は見られなかった。
ステント血栓症確定例は、高用量アスピリン群81件(0.9%)、低用量アスピリン群88件(1.0%)で、ハザード比0.93(0.68-1.26、P=0.62)、確定例または可能性例はそれぞれ159件(1.9%)と176件(2.0%)で、ハザード比0.90(0.73-1.12、P=0.36)。
著者らの定義による大出血の発生率にも有意な差は見られなかった。高用量アスピリン群128件(1.5%)、低用量アスピリン群110件(1.3%)、ハザード比1.18(0.92-1.53、P=0.20)。著者らの定義による重症出血、TIMI基準に基づく大出血などの発生率にも差はなかった。
なお、複合イベントについて分析したところ、クロピドグレルの用量とアスピリンの用量の間に若干の交互作用が見られた(アスピリン高用量群のみ有意な結果になった)。
急性冠症候群でPCIを受ける患者に、7日間、2倍量のクロピドグレルを投与すると、標準用量に比べてPCI後の心血管イベント(心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中)とステント血栓症のリスクが減少した。一方、アスピリンの場合には、用量が異なってもイベントの発生率に差はなかった。著者らは、この種の患者全員についてクロピドグレル2倍量の適用を考えても良いのではないか、と述べている。
原題は「Double-dose versus standard-dose clopidogrel and high-dose versus low-dose aspirin in individuals undergoing percutaneous coronary intervention for acute coronary syndromes (CURRENT-OASIS 7): a randomised factorial trial」
12.クロピド倍量投与、登録患者全体ではイベント減らさず
CURRENT-OASIS 7試験の結果その2(NEJM誌から)
日経メディカル2010年9月28日
sarcom天然の鎮痛剤
急性冠症候群で侵襲的治療が必要と判断された患者の心血管イベントに対する、クロピドグレル標準用量と2倍量、アスピリン低用量と高用量の影響を比較したCURRENT-OASIS 7試験の、もう1つの解析結果がNEJM誌電子版に2010年9月2日に報告された。論文をまとめたカナダMCMASTER大学のShamir R. Mehta氏らによると、PCIを受けた患者に限定せず、すべての登録患者を対象に分析した場合、どの用量を用いても転帰に有意な差はないという結果が得られたという。
CURRENT-OASIS 7の結果はこれまでにも学会発表されている。特に、CURRENT STEMI PCIコホートと呼ばれる一部の患者(ST上昇急性心筋梗塞でPCIを受けた集団)を対象とする分析で、クロピドグレル2倍量が出血リスクを高めることなく心血管イベントを予防する可能性が示されたために、より広範な患者に対する倍量投与の利益を示すデータが待たれていた。
この論文の1日前にLancet誌に報告されたCURRENT-OASIS 7の結果(その1)は、実際にPCIを受けた患者にはクロピドグレル2倍量が有効であることを示唆したが、「その2」となるこちらの分析では、登録された患者すべてを分析対象にすると、心血管イベント発生率については標準用量と2倍量の間の差はなく、出血リスクは2倍量群で有意に高いことが明らかになった。
著者らは、2通りの用量のクロピドグレルと2通りの用量のアスピリンが、侵襲的治療可能施設に紹介された急性冠症候群患者(ST上昇の有無は問わない)の主要な心血管イベントや出血のリスクに及ぼす影響を評価するために、2×2ファクトリアルデザインのCURRENT-OASIS 7試験を計画。06年6月から09年7月まで、39カ国の597施設で実施した。
2万5086人の患者を登録し、1万2520人を2倍量のクロピドグレル(600mgを負荷用量とし、2~7日は150mg、それ以降は75mg/日)、1万2566人を標準用量のクロピドグレル(300mgを負荷用量とし、2日目以降は75mg/日)に割り付けた。
登録患者全員についてアスピリンの負荷用量は300mg以上とした上で、クロピドグレル2倍量群のうち6253人、標準用量群のうち6254人を高用量アスピリン(300~325mg/日)に、2倍量群の残り6267人、標準用量群の残り6312人を低用量アスピリン(75~100mg/日)に割り付けた。
他の抗凝固薬、GP IIb/IIIa拮抗薬、スタチンなどの処方は担当医の判断に任せた。
主要アウトカム評価指標は、割り付けから30日の時点の心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中を合わせた複合イベントに設定。2次評価指標は、複合イベント+虚血再発、この複合イベントを構成する個々のイベント、全死因死亡などとした。
2万5086人のうち2万4835人が冠動脈造影を受け、1万7263人がPCIを受けた。PCIが適用されなかった7823人中1859人(23.8%)は冠動脈バイパス術(CABG)を受けたが、2444人(31.2%)は血行再建術適応外で、3520人(45.0%)には臨床的に意義のある冠疾患は認められなかった。今回はこれらすべての登録患者を分析対象にした。その数は、クロピドグレル2倍量群1万2520人、標準用量群1万2566人、アスピリン高用量群1万2507人、低用量群1万2579人となった。
心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中からなる複合イベントは、クロピドグレル2倍量群の4.2%(522人)、標準用量群の4.4%(557人)に発生、ハザード比は0.94(0.83-1.06、P=0.30)で有意差はなかった。複合イベント+再発虚血はそれぞれ4.5%と4.8%で、ハザード比0.93(0.83-1.05)。全死因死亡は2.3%と2.4%でハザード比0.96(0.82-1.13)と、いずれも有意差なし。
著者らの定義による大出血は、それぞれ2.5%と2.0%に発生した。ハザード比は1.24(1.05-1.46、P=0.01)となり2倍量群で有意だった。重症出血も1.9%と1.6%でハザード比1.22(1.01-1.47、P=0.04)、TIMI出血基準に基づく大出血も1.7%と1.3%でハザード比1.26(1.03-1.54、P=0.03)と、2倍量群でリスク上昇が有意だった。
一方、アスピリン高用量群と低用量群の比較では、複合イベント(4.2%と4.4%、ハザード比0.97、0.86-1.09、P=0.61)、大出血(2.3%と2.3%。ハザード比0.99、0.84-1.17、P=0.90)の発生率に有意差は認められなかった。
アスピリン高用量群で有意なりスク低下が見られたのは、再発虚血(高用量群0.3%、低用量群0.5%でハザード比0.63、0.43-0.94、P=0.02)のみ。それ以外の評価指標には有意差はみられなかった。
大出血、重症出血、TIMI基準による大出血の発生率に差はなかっが、小出血はアスピリン高用量群に多かった(5.0%と4.4%、ハザード比1.13、1.00-1.27、P=0.04)。消化管出血も、わずかだが高用量群に多かった(0.4%と0.2%、P=0.04)。
なお、複合イベントについて分析したところ、クロピドグレルの用量とアスピリンの用量の間に若干の交互作用が見られた(アスピリン高用量群のみ有意な結果になった)。
以上より、急性冠症候群で侵襲的治療可能施設に紹介された患者全体では、2倍量のクロピドグレルと標準用量のクロピドグレル、高用量のアスピリンと低用量のアスピリンの心血管イベント予防効果に差は認められなかった。
原題は「Dose Comparisons of Clopidogrel and Aspirin in Acute Coronary Syndromes」
13.抗精神病薬の服用、静脈血栓塞栓症のリスク上昇と関連
文献:Parker C et al. Antipsychotic drugs and risk of venous thromboembolism: nested case-control study. BMJ. 2010; 341:c4245
静脈血栓塞栓症の初発患者25532名と対照89491名を対象に、抗精神病薬と静脈血栓塞栓症リスクの関連をコホート内症例対照研究で検討。非服用に比べ、過去24カ月の服用(危険因子で調整後のオッズ比1.32)、服用開始3カ月以内(同1.97)、非定型薬(同1.73)、低力価薬(同1.99)でリスク上昇を認めた。
14.フォンダパリヌクス治療後のPCI、未分画ヘパリンの用量で安全性に差なし
文献:The FUTURA/OASIS-8 Trial Group. Low-Dose vs Standard-Dose Unfractionated Heparin for Percutaneous Coronary Intervention in Acute Coronary Syndromes Treated With Fondaparinux: The FUTURA/OASIS-8 Randomized Trial. JAMA. 2010;304(12):1339-1349
フォンダパリヌクスの初期治療を受けた非ST上昇型急性冠症候群患者2026名を対象に、PCI施行時の未分画ヘパリンの安全性について低用量と標準用量を無作為化試験で比較。PCI後48時間の大小出血・血管アクセス部位合併症の発生率は、低用量群4.7%、標準用量群5.8%で有意差を認めなかった。
15.吸入ステロイド+チオトロピウム、ステロイド倍量より優越性示す
文献:Peters SP et al. Tiotropium Bromide Step-Up Therapy for Adults with Uncontrolled Asthma. NEJM. September 19, 2010
コントロール不良の成人喘息患者210名を対象に、吸入グルココルチコイド+チオトロピウムの有効性を二重盲検3群クロスオーバー試験で検討。グルココルチコイド2倍用量群と比較し、PEF、気管支拡張薬投与前FEV1、喘息コントロール日数、症状スコアの優越性が示され、サルメテロール併用群とは非劣性が示された。
16.心不全患者への自己管理カウンセリング、死亡・入院率改善せず
軽度から中等度の心不全患者902名を対象に、自己管理カウンセリングの有用性を無作為化比較試験で検討。自己管理カウンセリング+心不全教育群の死亡・心不全による入院率は40.1%で、心不全教育単独群41.2%と差が見られなかった。全入院率・生活の質についても両群間で有意差はなかった。
17.学会ダイジェスト: 第46回欧州糖尿病学会
2010年9月20日~24日 Stockholm, Sweden
1) たとえ減量できなくても、身体活動を高めれば血糖値を改善できる
減量できなくても、身体活動そのものを高めることで、2時間後血糖値や空腹時血糖は改善する可能性があることが示された。PREPAREプログラム研究で明らかになったもので、英レスター大学の心臓血管科学のT. Yates氏が、9月20日から24日までスウェーデンのストックホルムで開催された第46回欧州糖尿病学会(EASD2010)で報告した。
PREPAREプログラム研究は、糖尿病前症の患者に対し糖尿病についての体系的な教育を行い、万歩計を使って積極的に歩行運動を行うよう勧め、糖尿病の発症予防効果や患者の健康状態の変化などを調べたもの。これまでの検討で、耐糖能異常(IGT)の患者において12カ月後の血糖の調整機能が改善することが確認されている。Yates氏らは、今回の研究でPREPAREプログラムの効果が24カ月後も維持されているかを調べた。
プログラムの参加者は、2006年10月~2007年4月にかけて、英レスター大学で募集した体重過多または肥満でIGTがある98人。これらを、アドバイスが記載された小冊子を受け取るだけの群(対照群、34人)、身体活動を高める運動を推奨し3時間の教育プログラムをグループ単位で行う群(E群、31人)、1日の活動目標と万歩計使用による歩行運動を含んだ3時間の教育プログラムを個別に行う群(EP群、33人)にランダムに割り付けた。群間でベースライン時の患者背景や生化学的測定値に差はなかった。
教育プログラムによる介入を行った2つの群(E群、EP群)には3カ月後と6カ月後にカウンセリングを行い、すべての群で3カ月後、6カ月後、12カ月後にフォローアップを実施した。その上で、今回の調査では、参加者には24カ月後に血糖状態を評価する追加検査を行い、空腹時血糖値と食後2時間血糖値、WHO基準による2型糖尿病への進行の評価、体重などを調べた。ベースラインからの変化に見られる差は、共分散分析(ANCOVA;Analysis of covariance)で分析した。
結果、74人の参加者(76%、女性38%、南アジア系20%)において、24カ月後のフォローアップデータを得た。
解析の結果、2時間後血糖値は、EP群のみが有意な減少を維持した。具体的には、ベースラインで8.7±2.3 mmol/Lだったものが、24カ月後は7.3±2.2mmol/Lに減少した。ベースライン値で調整した対照群と比較した変化は、-1.5 mmol/L(95%信頼区間:-2.8~-0.3、p=0.012)だった。
空腹時血糖についても、EP群のみで有意な減少傾向が見られた。ベースラインで5.6±0.6mmol/Lだったものが、24カ月後 には5.4±0.7mmol/Lと減少した。ベースライン値で調整した対照群と比較した変化は、-0.3mmol/L(95%信頼区間:-0.7~0.0、p=0.073)だった。
追跡期間中に診断された24カ月間の2型糖尿病累積発生率は、対照群で18%、E群で16%、EP群で6%となり、EP群でもっとも少ないという結果だった。一方、いずれの群も、24カ月後の体重に差はなかった。
Yates氏は、「糖尿病に関する教育と運動の推奨を個別に指導することで、体重が減少しなくても、血糖状態が改善することが分かった。患者指導においては、減量が治療の目標になるのではなく、身体活動の向上が重要になるのではないか」と述べた。
18.AstraZeneca drug fails in prostate cancer trial
Reuters2010年9月27日
AstraZeneca's experimental prostate cancer pill zibotentan failed to improve survival in a late-stage clinical trial, dealing a fresh blow to the company's oncology pipeline.
As a result, AstraZeneca plans no regulatory submissions for zibotentan at this time and a spokesman said on Monday it was discussing the implications of the setback with investigators working on other studies involving the drug.
The failure of zibotentan to improve overall survival in the Phase III study follows similarly unsuccessful trials for two other AstraZeneca pills, Recentin in colon cancer earlier this year and vandetanib in lung cancer in 2009.
Vandetanib has since gone on to show benefits in thyroid cancer, a smaller potential market.
Zibotentan, a once-daily tablet, is being studied in more than 3,000 men with prostate cancer in a program of clinical trials.
Two other studies looking at the medicine in different settings are still ongoing, with one having fully recruited patients and expected to announce results in the second half of 2011 and the second having almost completed recruitment.
Paul Diggle, an analyst at Ambrian Partners, said he had removed modest sales expectations of $200 million a year for the drug from his forecasts.
RISKY PROJECT
Zibotentan was designed to help patients who no longer respond to treatments that block the action of testosterone, a hormone driving cancer growth, by blocking another biological pathway that helps tumors thrive.
It was widely viewed as a risky product by analysts and the drug had been forecast to achieve sales of $189 million by 2014, according to consensus forecasts compiled by Thomson Reuters.
Shares in AstraZeneca fell 1 percent by 7:45 a.m. ET, underperforming a 0.2 decline in the European drugs sector.
The Anglo-Swedish drugmaker had better news on Friday when its heart drug Brilinta, or Brilique, was recommended for approval in Europe -- boosting prospects for a medicine that analysts expect to sell some $2 billion by 2014.
AstraZeneca is relying on revenues from new products like Brilinta to offset expiring patents on some of its best-selling medicines, such as heartburn treatment Nexium and Seroquel for schizophrenia.
Within the cancer space, the group has pushed hard to develop convenient tablet-based treatments as an alternative to injections or infusions, although so far the strategy has met with only limited success.
One of its early cancer pills, Iressa for lung cancer, was initially seen as a flop but it has recently seen a revival in its fortunes thanks to tests to identify those patients who will gain from using it.
19.Celiac Disease Incidence Increases as People Grow Older, U.S. Study Shows
Bloomberg News2010年9月28日
Celiac disease, which damages the lining of the gut and is triggered by eating food containing gluten, occurs more often as adults age, according to a study suggesting that environmental influences may be involved.
Cases doubled in a sample of 3,511 patients followed from 1974 to 1989, according to proteins measured in blood samples. This provides evidence that the condition doesn't start in childhood, as doctors once thought it did, researchers said today in the Annals of Medicine.
The results may begin to explain why celiac disease has increased fivefold in the U.S. in the last 30 years, the authors wrote. The research suggests that the rise is not simply due to better diagnosis, and that the illness may be preventable, as people with a genetic disposition for it can live decades before getting sick, said Alessio Fasano, an author of the study.
"If we can understand what helps people lose gluten tolerance, we may develop tricks to retain tolerance, even if you've lost it already," said Fasano, director of the University of Maryland's Mucosal Biology Research Center in Baltimore and the celiac research center, in a telephone interview.
Celiac disease affects more than 2 million Americans, according to the National Institutes of Health, based in Bethesda, Maryland. The condition, which can be symptomless, is triggered when people ingest wheat or other foods containing gluten, such as bread or beer. The immune system attacks part of the small intestine, causing abdominal bloating, diarrhea, vomiting, constipation, weight loss and pain, the federal agency says on its website.
Autoimmune Disease
Because the illness is an autoimmune disease, the findings may also hold clues to other disorders, such as multiple sclerosis, that are caused by a malfunctioning immune system.
The report showing people may acquire celiac disease as they age time strengthens the idea that the environment may be crucial for developing the condition. Patients' genes didn't vary during the study, Fasano said.
The effects of environment may be described by thinking of the human genome as a piano, he said. As long as no one plays the instrument, the owner doesn't notice that some keys are defective. If someone plays, suddenly the defect is obvious, Fasano said. Perhaps the player in celiac disease is a virus or bacterium, he said.
The study was done by testing blood samples taken in 1974 and 1989 from people in Washington County, Maryland, the authors wrote.
Fasano plans to study people who develop celiac disease at young ages and compare them with people who develop the disease later, to see if there can be some pattern, he said.
The research was funded by the University of Maryland School of Medicine, Madison, New Jersey-based Quest Diagnostics Inc., and other sources.
20.Painless laser device could spot early signs of disease
BBC News2010年9月27日
Portable devices with painless laser beams could soon replace X-rays as a non-invasive way to diagnose disease.
Researchers say that the technique could become widely available in about five years.
The method, called Raman spectroscopy, could help spot the early signs of breast cancer, tooth decay and osteoporosis.
Scientists believe that the technology would make the diagnosis of illnesses faster, cheaper and more accurate.
Raman spectroscopy is the measurement of the intensity and wavelength of scattered light from molecules.
It is already being used in the chemical and pharmaceutical industries. For instance, Raman lasers are used to measure flame characteristics. By studying how fuels burn, pollution from the products of combustion can be minimised.
Michael Morris, a chemistry professor at the University of Michigan, US, has been using Raman for the past few years to study human bones.
So far, he has been working on cadavers, but he says that Raman could prove effective in living patients.
"You can replace a lot of procedures, a lot of diagnostics that are out there right now. The big advantage is that it's non-invasive, pretty fast - much faster than classical procedures - and more accurate," he told BBC News.
When a person is sick, or about to become sick, the chemical mix in the tissue is quite different from that in healthy tissue, scientists say. So the Raman spectrum changes depending on the tissue it analyses, Professor Morris explained.
"Raman gives you a molecular fingerprint, a composition of whatever it is you're measuring," he said.
"In diseased states, the chemical composition is either slightly abnormal or very markedly abnormal, depending upon the diseases."
Non-invasive
The diagnoses could be carried out in a matter of minutes and without need for an X-ray.
"A patient simply puts his or her wrist on a table and then we have the optical fibres delivering laser light... connected to a holder, a sort of a bracelet made out of silicon, that is strapped to the patient's wrist," explained Professor Morris.
"We turn on the laser and after we've collected enough signal in a few minutes, we turn it off. In principle, it will take a couple of seconds to interpret the results."
Raman spectrometry is used in the chemical and pharmaceutical industries
Besides bone diseases, the tool could prove effective in detecting early tooth decay, say researchers.
And drawing blood might become unnecessary in some cases. For instance, to determine the levels of cholesterol, one would simply have to point the laser "where you would be looking to draw a blood sample at the crook of the arm, where the blood vessels are very close to the skin," said Professor Morris.
New applications
Another application could be using Raman as a non-invasive alternative to a typical mammography - a process that uses low-dose X-rays to screen patients for signs of breast cancer.
The laser would "look" into the tissue and generate different spectra - a distribution of colours reflecting differences in the properties of the tissue. This could reveal benign or malignant tumours, depending on characteristic changes in the protein structure and in the relative amounts of protein, lipids and nucleic acids in the tissue.
British researchers at the Rutherford Appleton Laboratory in Didcot and at the Gloucestershire Royal Hospital have been using Raman to analyse calcifications in breast tissue that might be early signs of cancer.
Some believe Raman spectrometry could eventually be an alternative to the current technique of mammography
"We could target those calcifications and make a decision about whether they're benign or malignant," Nicholas Stone, head of the biophotonics research unit at the Gloucestershire Royal Hospital told the magazine Chemical and Engineering News.
"If they're malignant, or look like they are, you would come back for a biopsy. If they're benign, which is 80 to 90% of the cases, you would not come back for a biopsy."
"In the UK alone, that would save about 80,000 patients from having secondary procedures."
21.Migraine cause 'identified' as genetic defect
BBC News2010年9月27日
Scientists have identified a genetic defect linked to migraine which could provide a target for new treatments.
A flawed gene found in a family of migraine sufferers could help trigger the severe headaches, a study in Nature Medicine suggests.
Dr Zameel Cader of the University of Oxford said the discovery was a step forward in understanding why one in five people suffers from migraines.
The World Health Organization rates it as a leading cause of disability.
A migraine is a severe, long-lasting headache usually felt as a throbbing pain at the front or on one side of the head.
Some can have a warning visual disturbance, called an aura, before the start of the headache, and many people also have symptoms such as nausea and sensitivity to light during the headache itself.
Until now, the genes directly responsible for migraine have been unknown.
In this study, scientists including some from the Medical Research Council's Functional Genomics Unit at the University of Oxford found a gene known as TRESK was directly attributable as a cause of migraine in some patients.
The study found that if the gene does not work properly, environmental factors can more easily trigger pain centres in the brain and cause a severe headache.
The international team used DNA samples from families with common migraine to identify the defective gene.
'Activate' gene
Dr Aarno Palotie, from the Wellcome Trust Sanger Institute, said the breakthrough could eventually lead to new drugs which could switch off the pain of migraines.
"It opens new avenues for planning new research which possibly could then lead to new treatments... but of course it's a long road."
Dr Cader, one of the MRC researchers involved in the study, said: "Previous studies have identified parts of our DNA that increase the risk in the general population, but have not found genes which can be directly responsible for common migraine.
"What we've found is that migraines seem to depend on how excitable our nerves are in specific parts of the brain.
"Finding the key player which controls this excitability will give us a real opportunity to find a new way to fight migraines and improve the quality of life for those suffering."
He told the BBC's Today programme the research showed the defective gene in migraine patients was under-active, therefore causing the headaches.
"So what we want to do is find a drug that will activate the gene," he added.
Professor Peter Goadsby, trustee of The Migraine Trust, said: "The identification of a mutation in a gene for the potassium channel in a family with migraine with aura provides both a further important part of the puzzle in understanding the biology of migraine, and a novel direction to consider new therapies in this very disabling condition."
22.Smoking link to ectopic pregnancy
BBC News2010年9月27日
A chemical in cigarette smoke has been found to cause a reaction which can lead to ectopic pregnancies, according to Edinburgh scientists.
Research from experts at Edinburgh University said Cotinine triggered a reaction which increased a protein in the Fallopian tubes.
They said the protein, called PROKR1, raised the risk of an egg implanting outside the womb.
Details of the study were published in the American Journal of Pathology.
PROKR1 allows pregnancies to implant correctly inside the womb, but its presence in the Fallopian tubes is believed to increase the risks of this happening outside the womb.
The study found that women who smoked and developed an ectopic pregnancy had twice as much PROKR1 in their Fallopian tubes as women who did not smoke and had previously had a healthy pregnancy.
Researchers believe that too much of the protein prevents the muscles in the walls of the Fallopian tubes from contracting, which in turn hinders the transfer of the egg to the womb.
Dr Andrew Horne, of the university's centre for reproductive biology, said: "This research provides scientific evidence so that we can understand why women who smoke are more at risk of ectopic pregnancies and how smoking impacts on reproductive health.
"While it may be easy to understand why inhalation of smoke affects the lungs, this shows that components of cigarette smoke also enter the blood stream and affect seemingly unconnected parts of the body like the reproductive tract."
The study, funded by Wellbeing of Women, analysed tissue samples from female smokers and non-smokers, and from women who had previously had ectopic and healthy pregnancies.
Smoking is thought to increase the risk of an ectopic pregnancy by up to four times.
There are more than 30,000 ectopic pregnancies in the UK each year, with the egg implanting in the Fallopian tube in 98% of cases.
This can cause the tube to rupture and lead to internal bleeding and fertility problems in the future.
Around one in 50 pregnancies in the western world is ectopic. The condition is the leading cause of maternal mortality in the first three months of pregnancy.
23.New Software for Defibrillators Lowers Risk of Unnecessary Shocks
Upgraded software can be uploaded into the ICD during routine doctor visit, researchers say
HealthDay News2010年9月27日
Implantable cardioverter defibrillators (ICDs) have saved the lives of tens of thousands of Americans at risk for sudden cardiac death because of serious heart rhythm abnormalities.
But these medical devices have gotten a bad reputation in recent years, mainly because the electrical wires, or leads, that connect the ICD to the heart can sometimes fracture, causing patients to unnecessarily receive painful shocks.
Now, a new study suggests that doctors can cut the relative risk of accidental shocks in half simply by downloading upgraded software into the ICD during a routine office visit.
The Lead Integrity Alert (LIA) software checks the device for suspicious electrical signals six times a day, and if problems are detected, alerts the patient with an audible beep every four hours, according to the study, which was published in the Sept. 27 issue of Circulation.
In contrast, standard ICD software usually monitors the device for signs of fractures and other mechanical problems just once a day, and notifies the patient of any abnormalities with a single alert at the same time every day.
The biggest advance, said study author Dr. Charles Swerdlow, a cardiac electrophysiologist at the Cedars-Sinai Heart Institute in Los Angeles, is that LIA software can detect electrical changes that signal a wire fracture and recalibrate the device to delay an inappropriate shock from occurring.
"The software basically makes the devices less trigger-happy," said Swerdlow, who is a clinical professor of medicine at the University of California, Los Angeles' David Geffen School of Medicine.
The study was funded by Medtronic Inc., which developed the LIA software for use with the company's ICDs that are connected to a specific type of lead that has been particularly prone to fractures. (That lead, known as Sprint Fidelis, was removed from the market in 2007.)
"Some doctors have been pulling these leads out prophylactically because they're worried about fractures, but what they often don't consider is that there are significant risks associated with lead replacement surgery," noted Swerdlow, who added that he hoped these findings encourage doctors to consider other options before replacing ICD leads.
Earlier this year, researchers reported that a new type of ICD that can be implanted just under the patient's skin and eliminate the need for electrical leads altogether may be just as effective as conventional models, but electrophysiologists say larger and longer-term studies are needed to prove their safety and efficacy.
For the software study, Swerdlow and his co-authors compared the experience of 426 patients prior to surgery to replace fractured leads. Half of the patients received standard daily monitoring and half were monitored with the addition of the downloadable LIA software. Among the patients who had standard monitoring, 70 percent received one or more inappropriate shocks, compared with only 38 percent of those who were monitored with the help of LIA software. Five or more inappropriate shocks were delivered to 50 percent of the patients who received standard monitoring, but only 25 percent of patients with LIA.
The researchers also found that 72 percent of patients with LIA had no inappropriate shock, or had at least three days warning prior to an inappropriate shock, compared with only 50 percent of those who received standard monitoring.
Many electrophysiologists began using the software soon after the FDA approved it in August 2008, said Dr. Andrea M. Russo, director of Cardiac Electrophysiology and Arrhythmia Services at Cooper University Hospital in Camden, N.J.
"Inappropriate shocks are much more damaging, psychologically, [than necessary electrical jolts] so we need to aim to eliminate every shock that's unnecessary," said Russo, who is a professor of medicine at UMDNJ-Robert Wood Johnson Medical School in New Brunswick, N.J.
Now that more and more patients with ICDs can be monitored at home with the use of remote systems that send information to doctors over a telephone line, "getting patients to come into the office so we can download the software is sometimes the hardest part," said Russo.
Swerdlow said other ICD software now under development will hopefully making the device "smart enough to know when a lead is broken and withhold a shock altogether." But that advancement, he said, "is a much trickier thing because the penalty for being wrong is really high. If someone crashes their iPod, they're out of songs for a while. But if a patient crashes their defibrillator, they can die."
An estimated 114,000 patients have surgery to implant or replace ICDs every year, according to the American Heart Association.
24.In Test of Stents, Old Standby Wins Out
Older drug-eluting model prevents more major cardiac events than a newer version, researchers find
HealthDay News2010年9月27日
In a head-to-head comparison of drug-coated stents -- the metal mesh tubes used to keep clogged arteries open -- the well-established model using the drug sirolimus came out on top, South Korean researchers report.
A newer version, one coated with zotarolimus, fell short, the study found.
Coating stents with time-released drugs can help prevent infection or clogging in stents, but researchers have questioned the safety and effectiveness of different coatings.
"Drug-coated stents have reduced re-stenosis rates compared to bare metal stents, but require prolonged dual antiplatelet therapy to prevent clotting of the drug-coated stent," said Dr. Gregg Fonarow, an American Heart Association spokesman. "There has been great interest in developing stents coated with alternative drugs and different polymers," he explained.
The study was released online Sept. 27 ahead of print publication in the Oct. 5 issue of the Journal of the American College of Cardiology.
In preventing major cardiac events, the researchers found that zotarolimus-coated stents, the new entry in the field, were less effective than the sirolimus-eluting stents, but better than stents coated with paclitaxel.
"Similar to other comparative stent trials, the sirolimus-eluting stent seemed to come out ahead in safety and efficacy," said Fonarow, who is also a cardiology professor at the University of California, Los Angeles.
For the study, a team led by Dr. Duk-Woo Park from the University of Ulsan College of Medicine and Asan Medical Center in Seoul randomly assigned 2,645 patients undergoing angioplasty, a procedure to restore blood flow through the artery, to one of the three stents.
After a year, Park's team tallied the number of adverse cardiac events the patients experienced, including death, heart attack and the need for a new angioplasty on the same artery in which the stent was placed.
The researchers found that 10.2 percent of the patients who received zotarolimus-coated stents suffered a major adverse cardiac event, compared with 8.3 percent of the patients who received sirolimus-coated stents and 14.1 percent of those with paclitaxel-coated stents.
The number of heart attacks and deaths was about the same in each group, but the rate of blood clots in the stents was significantly lower with sirolimus-eluting stents, Park's team also found.
"In this large-scale, practical randomized trial, the use of zotarolimus-eluting stents resulted in similar rates of major adverse cardiac events compared with sirolimus-eluting stents and in fewer major adverse cardiac events compared with paclitaxel-eluting stents at 12 months," the researchers concluded in their report.
However, they said a limitation of their study is the one-year follow-up period, and noted that a longer, ongoing study pitting zotarolimus-eluting stents against sirolimus-eluting stents will provide more safety information.
The trial was partially funded by Medtronic, maker of the zotarolimus-eluting stent.
Fonarow said the study results can help cardiologists arrive at treatment decisions. "These studies help to better inform interventional cardiologists in the optimal choice of drug-eluting stents for their patients being treated for coronary artery disease," Fonarow said.
25.Statins Could Prevent More Strokes, Heart Attacks: Analysis
Wider use would be cost-effective prevention method, researchers say
HealthDay News2010年9月27日
Broader use of cholesterol-lowering statins may be a cost-effective way to prevent heart attack and stroke, U.S. researchers suggest.
In the study, published online Sept. 27 in the journal Circulation, the researchers also found that screening for high sensitivity C-reactive protein (CRP) to identify patients who may benefit from statin therapy is only cost-effective in certain cases. Elevated levels of CRP indicate inflammation and suggest an increased risk for heart attack and stroke.
Currently, statin therapy is recommended for high-risk patients -- those with a 20 percent or greater risk of some type of cardiovascular event within the next 10 years. But statins may also benefit people with a lower risk, according to Dr. Mark Hlatky, professor of health research and policy and of cardiovascular medicine at Stanford University School of Medicine in Stanford, Calif., and colleagues.
Hlatky's team set out to determine the cost-effectiveness of three statin therapy approaches in patients with normal cholesterol levels and no evidence of heart disease or diabetes: following current guidelines; conducting CRP screening in patients who don't meet current statin treatment guidelines and offering statins to those with elevated CRP levels; and providing statin therapy based on a patient's cardiovascular risk alone, with no CRP testing.
The researchers analyzed which of the three approaches met the generally accepted cost-effectiveness threshold of no more than $50,000 per quality-adjusted life-year. They found that statin therapy based on cardiovascular risk alone, without CRP testing, was the most cost-effective strategy.
Initiating statin treatment at lower risk levels -- without CRP testing -- "would further improve clinical outcomes at acceptable cost, making it the optimally cost-effective strategy in our analysis," the researchers wrote in a university news release.
"Ideally, a marker would tell us who will benefit from drug treatment and who will not," Hlatky pointed out in the release. "If a test could give us that information, it would be very cost-effective. But there's not good evidence yet that CRP, or any other test, works that well."
26.第10回高齢者医療制度改革会議資料
◆(議題)国保の運営のあり方及び保険料等について
27.プレスリリース
1) CYPHER® Sirolimus Drug-Eluting Stent Remains Unsurpassed in Terms of Safety and Efficacy
SORT OUT IV Data Presented at TCT in Washington DC Shows Remarkable Safety and Efficacy Measures with Both CYPHER Stent and Xience Stent
Only CYPHER Has More Than 10 Years of Safety Data in 70 Studies
BRIDGEWATER, N.J.--(BUSINESS WIRE)--Investigators reported results of SORT-OUT IV, comparing Cordis Corporation's CYPHER® Sirolimus-eluting Coronary Stent and Abbott's XIENCE V ® Everolimus-eluting Stent in the primary endpoint of MACE (major acute coronary events) at nine months. These findings were presented at the TCT annual meeting, (TCT 2010)held last week in Washington DC. This study adds to the unmatched body of safety and efficacy data on the CYPHER® Stent with this comparison to the more recently approved XIENCE V® Stent in a contemporary setting.
"The SORT OUT consortium has used CYPHER® Stent as the comparator in a number of studies and to date, no newer stent has proven a benefit over CYPHER® Stent in terms of safety or efficacy," said Campbell Rogers, M.D., Chief Scientific Officer and Head, Global Research and Development, Cordis Corporation. "The safety and efficacy of the CYPHER® Stent in this real-world randomized study reinforce the excellent sustained clinical outcomes consistently seen over the last 10 years."
The large randomized trial SORT OUT IV included more than 2,600 patients across a wide range of lesion and patient complexity. The study was designed to test whether the XIENCE V® stent is non-inferior to the CYPHER® stent. Both drug-eluting stents performed better than planned for the composite endpoint of MACE (4.9 % for XIENCE V® Stent vs. 5.2% for CYPHER® Stent); these data support the non-inferiority of the XIENCE stent over the CYPHER stent (non-inferiority p=0.01) . There was no statistically significant difference in key markers of safety including the incidence of cardiac death (1.9% for XIENCE V® Stent vs. 1.4% for CYPHER® Stent: p=0.31), myocardial infarction, (1.1% for XIENCE V® Stent vs. 1.4% for CYPHER® Stent: p=0.48), or definite or probable stent thrombosis (0.9% for XIENCE V® Stent vs. 0.9% for CYPHER® Stent: p=0.83).
"The SORT OUT IV trial demonstrates that both drug eluting stents perform extremely well," said Rogers. "The unique design characteristics of the CYPHER® Stent continue to make it an essential treatment option for today's interventional cardiologists."
About the CYPHER® Stent
The CYPHER® Stent has been chosen by cardiologists worldwide to treat approximately three million patients with coronary artery disease. The safety and efficacy of the device is supported by a robust clinical trial program that includes more than 70 studies that examine the performance of the CYPHER® Stent in a broad range of patients.
For more complete information on indications, contraindications, warnings and precautions, see the Instructions for Use available at www.cypherstent.com.
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