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1.国保、都道府県単位に再編 財政安定化狙う
2.後期高齢者医療制度見直し 対象「65歳以上」を断念
3.看護業務の実態調査の結果を公表―厚労省
4.回答率10%台に評価さまざま―看護業務の実態調査
5.病院薬剤師は4万3000人‐前年より1万4000人増加
6.血液がん治療薬 セルジーンに効能追加承認
7.目の染色剤 欧州販売 九大発ベンチャー開発
8.脳卒中:まひの手回復に新手法 慶応大チーム開発
9.認知症の周辺症状に「抑肝散」
10.多剤耐性菌はなくならない! 感染症への本当の備えとは
11.PCI後のクロピド倍量投与でイベント抑制効果高まる
12.クロピド倍量投与、登録患者全体ではイベント減らさず
13.抗精神病薬の服用、静脈血栓塞栓症のリスク上昇と関連
14.フォンダパリヌクス治療後のPCI、未分画ヘパリンの用量で安全性に差なし
15.吸入ステロイド+チオトロピウム、ステロイド倍量より優越性示す
16.心不全患者への自己管理カウンセリング、死亡・入院率改善せず
17.学会ダイジェスト:第46回欧州糖尿病学会
1) たとえ減量できなくても、身体活動を高めれば血糖値を改善できる
18.AstraZeneca drug fails in prostate cancer trial
19.Celiac Disease Incidence Increases as People Grow Older, U.S. Study Shows
20.Painless laser device could spot early signs of disease
21.Migraine cause 'identified' as genetic defect
22.Smoking link to ectopic pregnancy
23.New Software for Defibrillators Lowers Risk of Unnecessary Shocks
24.In Test of Stents, Old Standby Wins Out
25.Statins Could Prevent More Strokes, Heart Attacks: Analysis
26.第10回高齢者医療制度改革会議資料
27.プレスリリース
1) CYPHER® Sirolimus Drug-Eluting Stent Remains Unsurpassed in Terms of Safety and Efficacy
****************************************1.国保、都道府県単位に再編 財政安定化狙う
日本経済新聞社2010年9月28日
厚生労働省は27日、約1800の市町村ごとに運営している国民健康保険(国保)を2013年度以降、5~10年以内に47都道府県に再編する案を「高齢者医療制度改革会議」に示した。人口減と高齢化が進むなかで農村部などの国保の運営は厳しく、同一県内の国保と統合することで、加入者の保険料や市町村の財政負担の格差を直し、財政を安定させる狙いだ。
厚労省は将来、国保の運営を都道府県に全面的に委ねたい考え。だが多くの都道府県は財政の負担が増えることなどを理由に、運営引き受けには反対の立場。年末にまとめる最終報告まで曲折がありそうだ。
具体的には2段階に分けて国保の運営を都道府県単位に広げる計画だ。第1段階は、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度をやめて新制度に移る13年度。新制度では、75歳以上の8割強に当たる約1200万人が国保に移る。国保の財政勘定を75歳以上と74歳以下の2つに分けて、75歳以上の部分を都道府県単位で運営する形をとる。
次に、74歳以下の財政運営も都道府県単位に移す。厚労省は「同時期に全国一斉に実施する」(高齢者医療課)方針で、13年度から5~10年以内を想定しているようだ。これが実現すれば市町村が運営する国保はなくなり、すべて都道府県単位になる。
国保は無職者やフリーターなど所得の低い加入者が増えているために財政が厳しく、全体の約5割が赤字。高齢化の影響による医療費の増加も重なり、農村部などの保険料は年々上昇している。
一方、財政に比較的ゆとりのある市町村では一般会計から財政投入を実施するなど独自の措置をとって保険料の上昇を抑えている。08年度の1人当たり平均保険料でみると、最も高いのは北海道猿払村で13万5000円。最低は沖縄県伊平屋村で2万8000円と、5倍近くの保険料の差がある。
厚労省は国保の運営を市町村から都道府県単位に切り替え、制度の持続性を高めたい考えだ。切り替えにより、地域による保険料格差も2倍程度に縮小するとみている。
「地域の医療計画を作る都道府県が国保の財政運営も担うべきだ」と厚労省は主張する。だが都道府県の多くは「いまの後期高齢者医療制度は市町村の共同体である広域連合が主体となって運営しており、大きな問題は起きていないはずだ」などとして、反対の姿勢を取っている。
2.後期高齢者医療制度見直し 対象「65歳以上」を断念
産経新聞社2010年9月28日
厚生労働省は27日、75歳以上が対象の「後期高齢者医療制度」を廃止した後、平成25年4月からの導入を目指す新制度について、対象を65歳以上に広げる案を断念し、75歳以上とする方針を細川律夫厚生労働相の諮問機関「高齢者医療制度改革会議」に提示した。また、市町村が運営する国民健康保険(国保)に関し、25年度以降、全年齢を対象として全国一斉に運営主体を都道府県単位に移行する案も示した。
改革会議が8月にまとめた新制度の中間報告では、対象年齢について「65歳以上」と「75歳以上」の両論を併記していた。しかし、65歳以上に広げれば保険料収入が1千億~2千億円減少することなどから、現行制度と同様に対象年齢を75歳以上とした。
また、中間報告では国保を都道府県単位に広域化するものの、「全国一律」か「合意した都道府県から順次」のいずれかとしていた。厚労省は27日の改革会議で、合意した都道府県から順次進めるとすれば国民にわかりにくいことに加え、一部の都道府県では運営主体が市町村のままとなりかねないとの懸念を指摘。全都道府県が同時に移行することを目指す方針を示した。
移行期限は23年の通常国会に提出する関連法案に明示する方針だ。この日の会議では新制度移行後2年から4年後が望ましいとの意見が相次いだ。
ただ、国保の運営主体をめぐっては、全国知事会が都道府県による運営に反対している。このため、中間報告には市町村が構成する広域連合による運営も併記されている。
中間報告は、25年度から後期高齢者医療制度の加入者のうち8割を国保に移行し、残る2割にあたる会社員とその扶養者を企業の健康保険組合などに加入させることが柱となっている。
3.看護業務の実態調査の結果を公表―厚労省
CareerBrain2010年9月27日
厚生労働省は9月27日、チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部教授)を開き、同省の研究班が行った看護業務に関する実態調査の結果を公表した。導尿・留置カテーテルの挿入や低血糖時のブドウ糖投与については、「現在看護師が実施している」とする看護師の回答が8割を超え、人工呼吸器装着中のウイニングスケジュールの作成・実施、褥瘡の壊死組織のデブリードマンでは、「今後、看護師が実施可能」とする回答が医師と看護師で共に半数を上回った。ただ、全体の回答率は16.9%(推計)にとどまった。
調査は7月28日-9月10日に実施。一般病院や訪問看護ステーションなど3274施設のほか、専門看護師と認定看護師合わせて1578人にも意見を求め、対象となった医師、看護師数は合計4万8030人(推計)。このうち8104人(医師2420人、看護師5684人)から有効回答を得た。施設別の回答率では、医師、看護師共に特定機能病院以外の病院が最も高く、病床規模別では500床以上が30.5%でトップだった。「検査」「呼吸器」「緊急時対応」など203項目の処置について、「現在看護師が実施している」かどうかと、今後ふさわしい実施者を聞いた。
現状では、末梢血管静脈ルートの確保と輸液剤の投与(医師63.8%、看護師77.1%)、創傷被覆材(ドレッシング材)の選択・使用(同44.4%、同73.4%)など、既に看護師の実施率が高い項目がある一方、中心静脈カテーテルの挿入(同0.9%、同0.2%)や胸腔穿刺(同0.8%、同0.1%)のように実施率が1%未満で、「今後も医師が実施すべき」とする処置もあった。
ただ、現在の看護師の実施率が1ケタ台でも、「今後、看護師が実施可能」とする割合が医師、看護師共に半数を超えた処置も多かった。
例えば、「単純エックス線撮影の実施の決定」(医師2.8%、看護師3.2%)は、「今後、看護師が可能」とする回答が医師55.5%、看護師53.2%。このうち特定看護師(特定)とそれ以外の看護師(一般)の割合は、医師が一般19.6%、特定35.9%で、看護師では一般12.5%、特定40.8%だった。また、「体表面創の抜糸、抜鉤」(医師1.8%、看護師0.9%)では、医師67.4%(一般22.9%、特定44.5%)、看護師53.0%(同11.8%、同41.2%)だった。
このほか、他職種に関する調査項目のうち、現在看護師のみが実施している業務については、「看護記録等の入力」(91.4%)、「身体計測」(64.0%)、「説明(検査、処置に関する事前説明など)」(57.3%)などの割合が高かった。
4.回答率10%台に評価さまざま―看護業務の実態調査
CareerBrain2010年9月27日
厚生労働省が9月27日に開いたチーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部教授)では、同省の研究班が行った看護業務の実態調査の結果について、各構成員からさまざまな意見が飛び出した。回答率が16.9%(推計)と伸び悩んだことから、「10%台の回収率で何か物を言うのは、ちょっと厳しい」とする意見がある一方、「回収率が低いにせよ、(有効回答)8000人の数が集まったことについては大変評価できる」などの声もあった。
竹股喜代子構成員(医療法人鉄蕉会医療管理本部・看護管理部長)は、「とてもナースがやらないだろうと思っていたのに、これだけの数をやっていたというのは個人的にはかなり驚きだった」と発言。また、「7割ぐらいまでが、看護職が今後やれると言っているものをざっと見て、院内教育レベルでやれるのかなという印象を受けた」と語った。
また、秋山正子構成員(ケアーズ白十字訪問看護ステーション統括所長)は、「既に一般の看護師が、暗黙のうちに包括的指示の下でできていて、それを(今後も)やれると思っていることを確認できたという解釈もできるのではないか」と問題提起。神野正博構成員(社会医療法人財団董仙会理事長)もこれに同調し、「(現在の看護師の実施率が)10%以下こそ、いろんな検討が必要であって、10%以上のところは全部解禁すればよいと思ってしまうほどやっている」と評価した。
これに対し、星北斗構成員(財団法人星総合病院理事長)は、「今、看護師さんが行っている行為を明確に区分し、『これはマル、これはバツ』と明示できるかというと、かなり厳しいだろう。これを共通の理解として進まないと、出口のない議論に自分たちを追い込んでしまう」と懸念を示した。
■「薬剤の選択・使用」の項目で不満―川上構成員
一方、調査項目の「薬剤の選択・使用」について、調査を行った厚労省研究班の前原正明・主任研究者(防衛医科大学校教授)は、「医師は(包括的指示を)出しているが、実際は自分たちのコントロールの下でやっている。看護師さんはオーダーも出て実際に動いているので、(現在の看護師の実施率で医師と看護師の間に)少し乖離が見られた」と説明。「他職種の方々が関係する質問については、特に慎重に分析し、必要であればアンケート調査もしなければならない」との考えを示した。これに対し、浜松医科大附属病院教授・薬剤部長の川上純一構成員は、「特に薬剤の選択の方は、実際どのぐらいの範囲を指すかによって、回答結果が随分変わる」とし、「丁寧に調査してくださいとお願いしたのに、それがないまま、こ� �ように結果も分かれてしまった」と不満を口にした。…
■実施率7割以上は「通達で対処できるのでは」―前原主任研究者
WG終了後、前原主任研究者は記者団に対し、現在の看護師の実施率が7割以上の処置については、「(厚労省の)通達などで対処できるのではないか」との認識を示した。一方、現状が5%以下でも「今後、看護師が実施可能」とする割合が医師と看護師で共に高い項目については、「教育、実習、研修でやっていただいてもよいと思う」と述べ、特定の医行為に関するWGの検討項目に加えるべきとした。
前原主任研究者はまた、医師と看護師を含めた他職種によるチーム医療の重要性を強調し、「たくさんの方のご意見で次のステップに行く。(今回の調査結果は)第一歩とは言わない。まず半歩」とした。このほか、日本医師会が行った看護業務の実態調査については、「どう分析するか、どうやるかということに対しては、オープンに話し合いたい」と述べた。
5.病院薬剤師は4万3000人‐前年より1万4000人増加
【09年医療施設調査・病院報告】
薬事日報社2010年9月28日
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