脳卒中 心筋梗塞 腎不全 認知症に
(週刊現代)
高血圧患者は推定で3000万人いるという。だが、そのうち治療を受けているのは2割程度。高血圧の恐ろしさ、そして自分の血圧を知らない人が多すぎるのだ。
「血圧と最も関係が深いのはナトリウムです。血液中にこれが多くなると、血液は細胞間にある液体などから水分を取り入れ、その結果、血液量が増えて血圧が上がる。したがって体内のナトリウムを適量に保つことが重要ですが、私たちが食物から摂取するナトリウムの大部分は塩化ナトリウムなので、塩分を摂りすぎないことが大切です。1日の摂取量は6gを目標にしたいところですが、実際は平均11gを摂っています。東北地方では30gも摂っているところもあります」
にきび、自然と自由を取り除く
林医師の患者で、ある70代男性は普段は正常値なのに、毎年冬になると血圧が上がるという。林医師が問診すると、その男性の妻が新潟の出身で、冬になると実家から漬物を大量に送ってくるので、男性は冬の間中、無くなるまで食べ続けていた。そのため塩分の摂りすぎで血圧が上がっていたのだという。
冬季は寒さで血管が収縮する。ただでさえ血圧が上がりやすいところに、毎日漬物を大量に食べれば、高血圧になるのも致し方ない。健診の結果が正常でも関係ないのだ。
では、塩分にだけ気をつければいいのか、というとそうではない。急激な上昇をもたらすという点では、血圧は職場の環境にも影響される。前出・林医師はこう指摘する。
健康不安
「ストレスや緊張感も高血圧の大きな要因です。仕事が変わったり、夜勤が増えたりしたときに、突然、血圧が高くなる人がいます。あるいは、夜中でも仕事の電話がかかってきて、おちおち寝ていられないような仕事に移ったときも、血圧が高くなりがちです。交感神経が緊張していると、アドレナリンが分泌されて、血管が収縮するので、血圧が高くなるのです」
ある地方銀行を退職した61歳男性も、54歳のときにゴルフ場で倒れた。
「その頃、上司から、『本社の労務管理をやって欲しい』と言われたのです。つまり窓際への左遷。給料は1年間そのままで、翌年から2割カットということでした。辞めてやろうと思いましたが、その年齢で再就職先はない。我慢して働き続けることにしました。
hypovolaemicショック血圧
異動前の上の血圧が135ぐらいで、医者から、『ちょっと高めですね』と指摘されていました。薬は飲んでいません。それが左遷から数ヵ月後、ゴルフの最中にグリーン上でパットを打とうと思った瞬間、周囲の景色がグルグル回りだして、気持ちが悪くなり、吐きそうになったんです」
近くの病院に運ばれ、血圧を測ると数値は180-110。医師には「脳梗塞の疑いがある」と言われたが、幸いにも発症はしておらず、ことなきを得た。
「心療内科の医師からは、やはり左遷されたことのストレスが血圧を上げたのだろうと指摘されました」
血圧はストレスを感じる出来事がきっかけで、急激に上昇することがあるのだ。
大手メーカー勤務の男性(59歳)は昨冬、不倫相手とホテルの風呂場にいるときに倒れたという。
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